2026年6月から医科の診療科名に「睡眠障害」が追加されるようになりました。日本は世界的に見ても「最も睡眠時間が短い国」の一つとされ、さまざまな睡眠障害が社会問題となっています。
睡眠中に何度も呼吸が止まり、日中の強い眠気を引き起こす閉そく性睡眠時無呼吸症候群(OSA)。放置すると高血圧や脳卒中などの深刻な全身疾患を招きます。この病気に対し、歯科医院で作る特別な口腔内装置(マウスピース)が大きな注目を集めています。
一般に、OSAの効果の高い治療法としては、マスクを到着して一晩中空気を送り込む「CPAP(シーパップ)治療」があります。しかし、「マスクの圧迫感に慣れない」「旅行に持っていきにくい」と挫折する人も少なくありません。そこで選択肢となるのが歯科で作製する口腔内装置です。
この装置は、装着すると下顎が数ミリ前方に固定されるよう設計されています。これに伴って舌の付け根も前方に引き上げられるため、喉の奥の気道(空気の通り道)が広がり、睡眠中のいびきや無呼吸を大幅に減らせます。
口腔内装置の最大のメリットは、「手軽さ」です。電源や機械音がなく、手のひらサイズで旅行や出張にも簡単に携帯できます。さらに、医科の医療機関(耳鼻咽喉科や睡眠外来など)で検査を受け、軽症から中等症のOSAと診断されて歯科への紹介状があれば、健康保険を適用して作製(約1万~1万5千円)できます。
ただし、重症の場合や、歯が極端に少ない人、顎関節症の人は使えないケースもあります。まずは専門の医療機関に相談し、自分に合った快適な睡眠と健康を取り戻しましょう。
(鹿児島県歯科医師会 総務委員会 川本真一郎)
改善の一助に口腔内装置 睡眠時無呼吸症候群
