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感染症と歯みがき ウイルスの侵入を防ぐ

 歯みがきは、紀元前の古代エジプト時代が起源といわれており、現代では感染症の予防効果があることが分かっています。口腔内の唾液中に含まれる免疫抗体が、ウイルスをブロックして感染を予防しているといわれています。新型コロナウイルスも口内で増殖する可能性を示唆されており、口腔内を清潔に保つことの重要性が注目されています。

 歯みがきのときに使う歯磨き粉について、よく含まれている成分にラウリル硫酸ナトリウムなどがあります。最近の研究では、この歯磨き粉や洗口液に広く使われる複数の成分(テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなど)は、新型コロナの生体への侵入を防ぐ効果があることが明らかになりました。また免疫抗体の活性には影響を与えないため、唾液の免疫機構も阻害しないことも分かっています。

 このように歯磨き粉を用いた歯みがきは、口腔に侵入してきた新型コロナウイルスの感染を予防できる可能性があります。また、感染してもウイルス量の減少効果が期待できます。

 ウイルス感染対策としても有効な歯磨き粉を用いた歯みがきですが、学校や職場などでは特に飛沫を飛び散らさないための工夫が必要です。以下、列挙します。

 ①洗口場でもソーシャルディスタンスを保って私語を控える②歯みがき中は極力口を結んだ状態で、飛沫の飛びやすい前歯の裏をみがくときなどは、口を手で覆ってみがく③水を吐き出すときは少ない量を低い位置からゆっくり吐き出す④使用した歯ブラシは、流水下でよく洗い、水を切り乾燥させて保管する。以上の4点に注意してください。もちろん、普段は通常の感染予防(マスク、手洗い、密を避ける等)をしっかり行うことを忘れないでください。

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 竹脇秀一)

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