歯の根元のむし歯は、年齢に関係なく起こりますが、特に大人になると増えやすいタイプです。歯ぐきが下がって歯の根元(象牙質)の露出した部分にできます。象牙質はエナメル質より軟らかく酸に弱いため、進行が速いのが特徴です。
主な原因は、歯ぐきの下がり(加齢、歯周病、強い歯磨き)、歯磨き不足(根元は汚れが残りやすい)、口の乾燥(唾液が少ないとむし歯が進みやすい)、甘い飲食物やだらだら食べなどです。
初期はほとんど自覚症状がありませんが、進むと「冷たいものがしみる」「歯の根元が茶色・黒っぽくなる」「歯ブラシが当たると痛い」「欠けやすい」などの症状がおこります。痛みが出た時点で、ある程度進行していることが多いです。
治療法は進行度によって変わります。初期はフッ素塗布や歯磨き指導、中等度以上になると、むし歯を削って詰め物をします。深い場合は神経の治療をすることもあります。
予防のポイントは、優しい力で、歯と歯ぐきの境目を意識して磨くこと。歯ブラシは軟らかめがお勧めです。歯間ブラシやフロスを併用し、フッ素入り歯磨き剤を使いましょう。口が乾きやすい人は、こまめな水分補給や唾液腺マッサージをすることも効果があります。
根元のむし歯は進行が速く、気づきにくいため、「しみる」「色が変わった」など少しでも気になったら、早めに歯科医院で診てもらうようにしてください。
高齢者や要介護者の方は、口腔ケアがおろそかになると、歯が根元から折れてしまうこともあります。かかりつけ歯科医に相談してください。
(鹿児島県歯科医師会 医療介護連携委員会委員 中島 弘幸)
しみる、変色に注意 根元のむし歯
