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悪化の原因にスマホも 顎関節症

 「あごが痛い」「口が開かない」「あごから音がする」といった経験はないでしょうか。このような症状を専門用語で「顎関節症」と言います。

 原因はさまざまです。一つは外傷や大きなあくび、無理に固いものをかむなど、顎関節に一時的に過剰な力が加わった結果起こります。また、歯ぎしりや食いしばりのような癖、無理な姿勢やあごの動きが必要な楽器演奏など、顎関節に弱い力が持続的に長時間加わったことで起こる場合があります。

 食いしばりほど自覚がないくらいの軽度な力、上の歯と下の歯を長時間にわたって接触させているだけで症状につながることもあります。さらに顎関節に直接力が加わっていなくても職場や学校、家庭でのストレス、歯並びやむし歯の長時間の放置によるかみ合わせ異常による発症が見られます。最近ではスマートフォンの長時間使用で起こることも多いようです。

 治療法は、歯科医院で作成したマウスピースを使うほか、行動改善療法といった、原因となる生活習慣を一時的にやめるまたは減らすことで症状を改善させる方法があります。日常生活の中で無意識に力が入っていないか意識するのも効果的です。

 症状によってはセルフケアが有用です。顎関節の動きに関与する筋肉を温めたり、あごのマッサージやストレッチをしたりすることもおすすめです。ただし、原因を正しく診査診断してもらい、自分に合った正しいセルフケアの方法を教えてもらうことが大切です。

 間違った方法を続けるとさらに悪化することもあるので、あごの症状が気にある場合は、迷わずかかりつけの歯医者さんに相談することが重要です。それでもなかなか改善しない場合は、より高度な専門医療機関(大学病院等)を紹介してもらうのも良いでしょう。

    (鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 石神慶一郎)

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