人にとって食べることは生命維持機能の一つというだけでなく、根源的な喜びであり、人生の中で最後まで残る楽しみでもあります。長生きを喜ぶ一つの形は慣れ親しんだ場所で、いつまでも口からおいしく食べ、生きることを喜ぶことであると考えます。
しっかり食べて活動することが健康寿命の延伸につながります。早期にフレイル(虚弱)に気づき、適切な運動や栄養に気を付け積極的に社会参加することで、健康な状態に戻ることができます。
「カムカム健康プログラム」とは、オーラルフレイル予防を中心としたプログラムです。「カムカム」は、栄養のある食事をしっかりかんで食べ、栗の健康意識を保つことをコンセプトにしています。
栄養価が高くかみごたえのある食事をみんなで食べ、楽しく勉強することで口の健康意識を高め、食と健康の行動変容を促し、長生きを喜べる環境を創造することを目的としています。
口の健康対策として、①1日2回以上歯ブラシ・歯間ブラシと舌の清掃②トレーニングや唾液腺マッサージなどがあります。そのほか、食材の調理方法などの工夫が重要です。かみごたえのある食材を大きく切り、過熱を短くしたり、水分量を減らしたり、たんぱく質を意識的にとることも大事です。
運動対策では、ウオーキングと一緒に筋肉を付ける運動として、太ももを鍛えるスクワットや片足を踏み出し膝を曲げるランジなどもお勧めです。社会参加もフレイル予防に重要な役割を果たします。①地域の集まりを活用し、積極的なコミュニケーションを②家族・友人とのカラオケやおしゃべり③誰かと一緒に食事(共食)があります。詳しくは歯科医院にあるパンフレットも参考に。
(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 毛利英樹)
かんで食べて長生きを カムカム健康プログラム