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最新ITも扱う神業職人 歯科技工士

 皆さんは歯科技工士という職業を知っていますか。虫歯などで歯に穴が開いた場合、歯科医師が治療します。しかし、虫歯が過度に進んでしまったり、多数の歯が失われてしまったりすると、それが難しくなります。

 そうなると、歯科技工士の出番です。歯科医師が患者の歯を加工して、型取りをし、模型を作製します。その模型を基に、どういう形態や素材、方法がいいか、歯科医師と歯科技工士が密に連携し、患者のための最適な人工の歯や入れ歯を作ります。

 型取りをした模型を使えば、簡単に人口の歯や入れ歯が作れると思われがちですが、そうではありません。どんなに精密な型や高性能な材料を使用しても、必ず寸法誤差が生じます。その誤差を経験と熟練した職人技で修正し、患者さんにとって最適なものへと完成させます。さらに、一つ一つが手作りで、まさに神業と言っていいでしょう。

 最近では、口腔内工学スキャナーを用いてパソコン上で型取りしたり、CAD(コンピューター支援設計)とCAM(コンピューター支援製造)でデザインした歯を、3Dプリンターで作ったりできるようになりました。

 歯科技工士は熟練した手仕事と共に、最新のIT(情報技術)も扱う最先端の職種です。人生100年時代と言われる今、「食」を支えるとても貴重な存在だと言えるでしょう。

 歯科技工士になるには、短大や大学などの養成機関で2年以上学び、必要な知識と技能の習得が必要です。鹿児島県には専門学校があります。その後、国家試験に合格し、免許を取得すると、歯科技工士として働くことができます。

 

  (鹿児島県歯科医師会 広報委員 石神 慶一郎)

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