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むし歯原因菌の活動抑える キシリトール

 キシリトール入りの食品は、スーパーやコンビニなどでもよく見かける商品です。キシリトールは、シラカバやカシなどの樹木に含まれる成分を原料として作られており、イチゴやバナナなどにも多く含まれ、人間の肝臓でも作られています。

 歯科ではむし歯予防のため、キシリトールの摂取を推奨しています。むし歯はミュータンス菌などの原因菌が、飲食物に含まれる糖質を使って酸を作り出し、歯を溶かしてしまうことから発生します。

キシリトールは砂糖と同じくらいの甘さがありますが、むし歯の原因となる酸の材料にならないため、菌が取り込んでも酸を作り出すことができず、菌の活動を抑える効果があります。また歯の再石灰化作用もあり、歯から溶け出してしまったミネラルを戻す働きもあります。

 ミュータンス菌は母親の唾液から子どもにうつる場合が多く、母親のミュータンス菌が多いほど、子どもへの感染率が高くなり、低年齢で子どもに感染していることが分かっています。よってキシリトールを妊娠中から摂取しておくことによって産後、乳幼児へのミュータンス菌の感染を抑制できます。

 むし歯予防のためにキシリトールを摂取する方法として、口の中に長くとどまらせることが重要なため、ガムやタブレットの製品が効果的です。

 その際、キシリトールができるだけ高濃度であることや砂糖などの甘味料が含まれていないことの確認が大切です。製品の成分表示をしっかり読んでください。

 妊娠中のかたにも安全に摂取できますが、一度に多量に摂取することによって、おなかがゆるくなる場合があるので注意が必要です。毎日の歯磨きやフッ素配合の歯磨き粉を使うことに加えて、キシリトールを使用することで、よりむし歯の予防の効果が期待できます。

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 尾立健太郎)

むし歯原因菌の活動抑える キシリトール
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