歯のはなし

仮歯の役割 感染防ぎ刺激を遮断

 歯科で治療を受けた際、詰め物やかぶせ物の「仮歯」を入れられた経験があるかと思います。文字通りあくまで仮の歯なのですが、見た目をよくする審美的な観点だけではなく、治療においては三つの重要な代役割を担っています。

 ①削った歯を細菌感染から守り、熱い冷たいなどの刺激を遮断して、しみにくくします。削った歯は傷口のようなもので、とてもデリケートです。仮歯は包帯がわりになります。

 ②治療中もかめる状態を可能な限り維持させることで、最終的な歯が入った時の違和感を軽減させます。しかし、治療内容によっては歯の安静のためにわざと仮歯を入れないケースもあります。

 ③歯の型を取ったあとの歯の移動を防ぎます。歯はスペースがあると移動しやすくなるため、そのままだと出来上がった歯が入らなくなることがあります。特にブリッジなど、数本の歯をつないだものは少しの移動で入らなくなります。

 以上のように仮歯は治療の質を左右する重要なものなので、患者さんにも大切に扱ってもらう必要があります。

 まず、仮歯は強度が弱く破折しやすい材料で作られています。通常の食べ物は問題ありませんが、せんべいやフランスパンなど、極端に硬い食品はかまないでください。また、仮歯は取り外す必要があるので、わざと外れやすい材料で付けてあります。キャラメルや餅など粘着力のある食べ物もしばらくは控えてください。もしも外れたとしてもオーダーメードで作られたものですから決して捨てないで、歯科医院に連絡して付け直してもらってください。

 なお、仮歯が入って「しばらくこれで大丈夫」と治療を勝手に中断することも歯のトラブルのもとになるので注意が必要です。

 

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 中島厚生)

仮歯の役割 感染防ぎ刺激を遮断
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