歯のはなし

コロナ下の歯科受診 治療の中断避けよう

 新型コロナウイルス感染症は、いまだ全国的に拡大が止まっていません。感染予防のためには、私たち一人一人がこの感染症を正しく理解して過剰に恐れないこと、そして緊張感をもって適切な予防対策を実行することが肝要と考えています。

 特に大都市では外出を恐れるあまり、医療機関の受診を控える傾向があり、歯科医療にも少なからず影響が出ています。

 歯科医院の感染予防対策について知っていただき、新しい生活様式としての「受診の仕方」を一緒に考えてみましょう。

 まず、受診前に自分の体調、特に発熱や風邪の症状がないことを確認してください。症状がある場合は、内科受診等を先にお願いする場合もあります。

 受診日時はあらかじめ電話やネットで予約して時間を守ってください。待合室での待ち時間を短縮するために必要です。換気も配慮されていると思いますが、入り口で手指消毒を行い、マスクを着用して受け付けをします。待合室では他の方と密接しない場所にいてください。

 歯科医院は、血液を介して感染するウイルス性肝炎や感染力の強いインフルエンザなどの院内感染を防止するために、長年対策を練ってきた経緯があります。歯を削る器具は個別に滅菌し、エアロゾル(微細飛沫)は拡散する前にバキュームで吸引します。マスク、ゴーグル、手袋を装備して治療にあたるのもずいぶん前から実施されています。これまで歯科治療が原因で患者さんが新型コロナに感染したという報告はありません。

 治療中断や定期健診を中断されている方は、3カ月を超えると、状況変化が予測できなくなります。よくかめない、歯周病が進行した、という状況は胃腸障害や糖尿病悪化など免疫力の低下につながります。口腔内を清潔に保ち、健康的な生活を心がけ、免疫力を上げましょう。

(鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 鬼塚一徳)

コロナ下の歯科受診 治療の中断避けよう
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