歯のはなし

キャドキャム冠 白く安価なかぶせ物

 健康保険で奥歯に白いかぶせ物ができます。これは「CAD/CAM(キャドキャム)冠」と呼ばれています。コンピューターを利用して製品の設計・製造を行う、製造業では一般的な技術を歯科で応用したものになります。

 キャドキャム冠を作る際は、かぶせるために削った歯の形を専用の3D光学カメラで撮影し、そのデータを元にコンピューターで修復物をデジタル設計し、それを加工機で成形製造します。つまり、形態や強度が制作者の経験や技術に左右されることなく、均一の品質で、設計通りのかぶせ物を作ることができます。加工機ではさまざまな素材が加工可能で、2014年からはレジン(プラスティック)とセラミックを合わせたハイブリッドレジンという素材を使用したキャドキャム冠が保険適用になりました。写真①~③のように、コンピューター上に投影された成形前のハイブリッドレジンの塊に設計した形をプログラムすることで、加工機の中で正確にかぶせ物の形に仕上げることができるのです。キャドキャム冠は金属を使用していないこともあり、金属アレルギーが心配な方も安心して使用することができます。

 また、保険適用の素材なので、陶材のみで製作したオールセラミックなど自費診療のかぶせ物に比べると強度や色の再現性は劣ります。ですが、安価に治療ができて白い素材のキャドキャム冠と同じく保険適用の銀歯と比較すると目立ちにくいという利点があります。

 保険適用となってから、技術の進歩によりキャドキャム冠の適応範囲は増えました。しかし、すべての歯に適用できるわけではなく、使用可能な歯の部位と条件が存在します。詳しくは、かかりつけの歯科医院でご相談ください。

                                                              (鹿児島県歯科医師会情報・対外PR委員 尾立健太郎)

キャドキャム冠 白く安価なかぶせ物
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