歯のはなし

歯ぎしりと健康 率先した対応が必要

 歯ぎしり(ブラキシズム)とは、上下の歯が不必要な接触を生じている状態のことです。寝ている時(睡眠時ブラキシズム)に起こる場合と、目覚めている時(覚醒時ブラキシズム)に起こる場合とに分けられます。

 また、歯ぎしりは下顎が動くグラインディング(水平的な動き)とタッピング(垂直的な動き)、クレンチング(かみしめ)とに分類できます。一般的に思われる、睡眠時に歯がギリギリ鳴るものだけではないので、歯科医院などで異常な歯のすり減りなどを指摘されて驚かれる方もいます。

 睡眠時の歯ぎしりは基本的には睡眠関連の疾患と考えられています。一方、覚醒時のかみしめは「上下歯列接触癖」とも呼ばれ、さまざまな条件により獲得された習癖であると考えられています。調査によると睡眠時の歯ぎしりの発生率は小児で10~20%、成人では約5~8%、高齢者で2~3%と加齢とともに減少し、大きな男女差はないといわれています。

 また、睡眠時の歯ぎしりは多因子性です。ストレス、性格、遺伝、セロトニン再取り込み阻害薬の服薬、飲酒、喫煙、特定の疾患(脳性まひなどの中枢神経系障害、睡眠呼吸障害)など、さまざまな因子が関与しているといわれています。

 対策としては歯の摩耗を防止するためのマウスピースなどがありますが、関連する因子が患者さん個々で異なるため、現時点では確実に歯ぎしりを抑制できる単一の治療法はありません。

 ただ、ストレスや飲酒、喫煙、服薬、睡眠障害等の関与が疑われれば、ストレスマネージメント、飲酒や喫煙に対する指導、服薬の変更や中止などで抑制できる可能性があります。

 これらは口腔の健康のみならず、全身管理の面からも率先して対応する必要があります。

(鹿児島県歯科医師会情報・対外PR委員 竹脇 秀一)

  

歯ぎしりと健康 率先した対応が必要
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