歯のはなし

歯科での問診 健康状態が治療に影響

 医療機関を受診すると、受付で健康保険証等の確認をし、受診理由を聞かれます。多くの場合は問診票を記入して提出し、呼ばれるまで待ちます。

 歯科の場合も同じですが、正しい診断と的確な治療をするために、まずは現在の症状とその経過を聞き、さらに過去の病歴や全身状態についてもしっかりと問診して、特記事項があれば必ず診療録に記入するように義務付けられています。

 歯や歯ぐきの痛みや不快感などで受診したのに、なぜ血圧やアレルギー、現在服用中の薬や喫煙習慣の有無、全身の健康状態まで教えなくてはいけないのでしょうか。

 結論から申し上げますと、高血圧や糖尿病、心臓疾患、血液疾患、骨粗しょう症、ぜんそくなど、どれも口腔内の症状や歯科治療に関係があります。代表的な例を少し挙げて説明します。

 乳幼児期から学童期にかけては、手足口病の水疱がつぶれてできる口内炎があります。はしかにかかった際にも口腔内に特徴的な症状が出ます。まれに血友病や紫斑病が、口内出血やアザから発見されることもあります。心臓中隔欠損の手術既往のある方は、歯科治療時に抜歯などによって細菌性心内膜炎を起こさないよう注意が必要です。

 アレルギー体質の方は、金属アレルギーなど歯科用金属でも症状が出る可能性があります。高血圧の方は降圧剤でコントロールしていただかないと抜歯ができないケースもあります。糖尿病と歯周病は深く関係していることが明らかになっています。喫煙も良いことはありません。

 近年、特に骨粗しょう症の薬が抜歯後の治癒に悪影響を及ぼすこともあることが注目されており、対策が必要です。

 以上は、ほんの一部の例に過ぎません。問診票を書くときや、口頭で問診された際は、快く健康状態を教えていただくようお願いいたします。

(鹿児島県歯科医師会情報・対外PR委員 鬼塚一徳)

歯科での問診 健康状態が治療に影響
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