歯のはなし

かむことの大切さ 脳の活性化や病気予防に

 「よく噛んで食べましょう」と言われますが、食事をするとき、どのくらいかんで飲み込んでいるか数えたことがありますか。口に入れた食べ物を飲み込むまで、30回ほどかむのが理想的です。自分のかむ回数を数えたことがある方はほとんどいないのではないでしょうか。

 実際に人が食事をするとき、どのくらいの回数をかんでいるかを調べた研究があります。食事を口に入れて飲み込むまで、男性は12回ほど、女性16回ほどだったそうです。中には10回以下の人もいたと言います。理想からすると随分少ない回数で飲み込んでいるようです。

 昔に比べ、現代の食べ物は柔らかくなり、かむ回数が減ってきていると言われています。食事全部を食べ終わるまでのかむ回数を時代で比べると、弥生時代は1回の食事で4000回、戦後間もないころは1500回ほどだったそうです。しかし、現代は620回程度となっています。噛む回数はどんどん減ってきているのです。

 では、たくさんかむとどんな良いことがあるのでしょうか。

 かむ回数を増やすことで脳に刺激が伝わって脳が活性化し、子供の知育を助けます。高齢者は認知症の予防につながります。よく噛むことで唾液がよく混ざり、病気を防ぐことが出来ます。肥満の防止にもなりますし、がんの予防にもなります。ほかにも健康のために良いことがたくさんあります。このようなことから、たくさんかんで食べることが推奨されているのです。

 しかし、軟らかい食べ物、例えばハンバーグやフライドポテトと言った食べ物は30回もかむのは大変です。そこで、30回噛むのが難しい食べ物の場合は、飲み込もうと思ってから10回噛んでから飲み込むようにしてください。食べ応えのある食べ物を食べることも大切です。健康な人生を送るために、よくかむ習慣をつけましょう。

                                   (鹿児島県歯科医師会理事 要 光)

かむことの大切さ 脳の活性化や病気予防に
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