歯のはなし

口腔がん 舌や歯茎に年7000人

 日本は、先進国の中で唯一、口腔がんの死亡数が激増している国だということをご存知ですか。がん全体からすれば約1~3%と低い数値ですが、毎年約7,000人以上の人が口腔がんを発症し、3,000人もの人が命を落としています。

 現在、日本では2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっています。まさに「がんは国民病」といっても大げさではないかもしれません。現在の医学は大きく進歩して生存率も高くなっています。

 そもそもがんとは、どのようなものなのでしょうか。

 私たちの体は約60兆個の細胞で成り立ち、分裂を繰り返すことで新しく生まれ変わっています。細胞一つ一つには遺伝子(DNA)が一組ずつ入っていて、細胞の働きをスムーズに行えるようコントロールしています。このDNAが傷ついて突然変異を起こすと、異常な細胞が発生してがん化すると考えられています。

 「口の中にもがんができるの?」と驚かれる方がいますが、それだけ口腔がんは認知度が低いのが現状です。口腔がんは口の中に発生するがんで、歯以外のどこにでもできる可能性があります。舌がん、歯肉(歯茎)がん、口腔底(舌の下)がん、頬粘膜がん、口蓋がん、口唇がんがあります。口腔がんの中で一番多く、約60~70パーセントを占めるのが舌がんです。

 鹿児島大学歯学部歯科口腔外科は「ブクブクうがい液による口腔がんリスク検査」の研究を進めています。うがい液に含まれる口腔粘膜の細胞から採取した遺伝子を調べ、口腔がんの罹患リスクを判定します。うがい液による口腔がんの一次スクリーニングを目的とし、非侵襲的で簡単、気軽に受けられます。

 最低でも1年に1回、「口腔がん検診」を受診し、早期発見・早期治療を心がけてください。

                          (鹿児島県歯科医師会 情報・対外PR委員 毛利英樹)

 

※佐賀大学 長尾由美子 先生の研究データに基づいて執筆しております。

口腔がん 舌や歯茎に年7000人
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