歯のはなし

オーラルフレイル ~口の機能低下 全身に影響~


 自分が高齢者になった時、誰にも介護されず、自力で生活を送る将来を思い描く方は多いことでしょう。日本人の平均寿命は、ここ数年伸びていて、男性80歳、女性87歳となっています。

 その一方で、要介護者は急速に増加しています。そうした現状の中、要介護にならない、あるいは要介護になるのを遅らせるためにはどうしたら良いかという研究があります。

 研究によると高齢者は、まず口の機能の低下が起こり、その後、全身の機能低下につながっていくことわかってきました。言い換えると口の機能の低下を予防することで、全身の機能低下を防ぐことができます。要介護にならないため、また、遅らせるためには、口の機能低下に早めの段階で気付き、対応することが大切です。 

 健康な生活を送る人が、全身の衰えから介護を受けるようになる場合、口の機能の衰えが段階的に見られます。早い段階で見られる症状は、滑舌が悪くなる、わずかなむせや食べこぼし、かめない食品が増加するなどがあります。これをオーラルフレイルといいます。

 症状が軽いため、自覚していない人が多いのが現状です。さらに症状が進むと、噛む力が弱くなり、舌や唇の運動機能低下、飲み込む力の低下などが起こります。こういった段階の症状を早く回復することで、健康な状態へ戻すことができます。つまり症状に早く気付き回復することで、健康に生涯を送ることができる人が増えます。 

 今後、ますます高齢者が増え、要介護者の増加も見込まれます。口の機能低下を起こさないためには、まず口のことに関心を持ち、ささいなことにも気を配り、口の中を清潔に保ち、むし歯や歯周病で歯を失わないようにする。生涯を健康に過ごすためには、まずお口の健康です。

                                    (鹿児島県歯科医師会理事 要光)

オーラルフレイル 口の機能低下 全身に影響
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